飛島スマートアイランドプロジェクト(環境センシングとリモート技術を活用して実現する「リモート・アイランド経済圏」確立実証事業)
山形県:酒田市:飛島
概要
島の課題
★高齢化率約80%と過疎化の進行が顕著であり、生活環境の管理・維持が島内のマンパワーだけでは困難になっている。
過疎化によって生じている島暮らしに関する3種類の課題
- 島内要因の課題:島内に自生する雑草の範囲が大きく除草が困難
- 島外要因の課題:島外から漂着するごみ回収の対処が困難
- ビジネス展開・雇用創出の課題:島内の課題解決に手一杯で島外のニーズに応えるビジネス創出が困難
位置図
調査体制
取組概要
★環境センシングとリモート技術を活用して、地域課題を発見・解決するための体制を構築し、飛島における定住・関係人口を創出する仕組みを検証し、本土と結合する新しい島暮らしスタイルの創出を目指す。
■ステップ1課題発見:環境センシングによる課題百件と、課題を解決するための作業量の可視化
■ステップ2課題解決:リモート操作による遠隔地からの作業実施と、作業履歴の記録
本事業実施後の展望として…
■ステップ3関係人口創出:作業内容と作業量に応じた電子チケット(インセンティブ)の発行
目指す姿・期待する効果
■可視化・共有された地域の課題に対して、ドローン、AI、多機能クローラ式ロボットを活用し、課題解決するための遠隔作業を行うことができる体制を構築する。
■課題の発見と解決のサイクルによって育まれる関係人口による持続可能なコミュニティ経済圏をつくる。
- 可視化・共有された地域の課題に対して、誰でもどこからでも課題解決するためのリモート作業が行える。
- 関係人口と連携し新しい島暮らしスタイルを想定した「リモート・アイランド経済圏」が確立される。
主な実証内容
実証内容・検証項目
【実証1】 ドローン空撮とWebカメラを用いた除草エリアマップ化
【実証2】 ドローン空撮とAIを用いた海ごみマップ化
【実証3】 海ごみ運搬ロボットの遠隔操作[酒田→浦戸諸島/仙台→飛島/仙台→佐渡島]
【実証4】 除草ロボットの遠隔操作[仙台→飛島]
主な実証結果
- 定点のWebカメラとドローンによる空撮との画像を合成する事により、除草エリアの計測が実現(例:47.9m)
- ドローンによる空撮とAIを用いた技術により海ごみ検出ができた。
- 島外からの遠隔操作により、海ごみ回収の支援(各場所にてロボット搭載量満杯)と与えられた場所での除草(約50平米)を実現
成果と課題
- 成果① 遠隔操作による除草作業の支援が可能であることを確認【除草性能:人力1~2人分程度】
- 成果② 遠隔操作による海ごみ回収作業の支援が可能であることを確認【運搬性能:人力20~40人分程度】
- 成果③ 地域住民による遠隔操作ロボットの準備等が可能であることを確認【 ※ロボットの 準備は1時間程度を要するが島外から渡島するより効率が良い】
- 課題① 遠隔操作側と現地側のコミュケーションを円滑に行う機器の準備
- 課題② 不測の事態に対応可能なマニュアルの作成(通信の不調,事故など)
- 課題③ センシングによる作業量可視化プロセスの高速化・省力化