概要

島の課題

• 佐賀県では重要施策として「自発の地域づくり」に取り組んでおり、県内の離島においても、グランピングの運営や島留学の促進など、島ならではの環境や地域資源を生かした取り組みが行れている。
• 一方、島民生活の安定及び産業振興等を図るうえで離島航路は必要不可欠あるが、便数やダイヤには限りがあり、災害発生時や荒天時には欠航する事もあり、地理的孤立による生活不安がある。　

取組概要

島の課題に対して島民が主体となって継続的な取組とするべく、住みよい島づくりの検討のため、島民でスマート技術を扱う新たな体制を構築し、技術検証及び実証後のロールモデルの検討までを実施する。

1. ①ドローンを活用した「防災・多用途の活用実証」
2. ②ドローンを実装するために必要なドローン人材の育成・体制づくり
3. ③ 他島への水平展開を見据えたドローン体験会（デモ会）及び成果発表会の開催

目指す姿・期待する効果

『ICTの力で豊かで活力ある島民デザインの未来の島づくり』

ICTの力で、離島の暮らしを便利で豊かなものにするとともに
持続可能なロールモデルの創出を行い、島民主体の「自発の地域づくり」を目指す

主な実証内容

実証内容・検証項目

① ドローンを活用した「防災・多用途の活用実証」

1. （１）非常災害時の本土～離島間の物資の輸送検証
2. （２）非常災害時の被災状況の撮影および映像伝送検証
3. （３）島内に生息する害獣（イノシシ等）の生態調査検証
4. （４）島内行方不明者の捜索検証
5. （５）定置網の設置状況確認検証

② ドローンを実装するために必要なドローン人材の育成・体制づくり

1. （１）ドローン体験会の開催（島内人材の掘り起し）
2. （２）島民向けのドローン人材育成の実施
3. （３）島民によるドローン体制の構築

③他島への水平展開を見据えたドローン体験会（デモ会）及び成果発表会の開催

1. （１）水平展開を見越した唐津市内全島への広報活動の実施
2. （２）唐津市内全島へのドローン体験会（デモ会）の開催
3. （３）本調査業務の成果発表会の開催

主な実証結果

• ドローンの導入により、これまで課題であった担い手不足の解消や孤立時における生活不安、心理的不安の解消を確認した（項目①）
• ドローン体験会を通じて、全島民261名に対して13名のドローンパイロットの育成が完了し、島内法人と消防団を活用したドローン運用体制の構築が完了した（項目②）
• 他島でのデモフライト及び意見交換会において、各島における課題及びドローンニーズの洗い出しが出来た。（項目③）

成果と課題

• 成果
  ・神集島において、島民の自治活動によるドローンの実装及び運用体制の構築が完了
  ・ドローンの導入により、島民の生活不安解消や日常における担い手不足の一助となる事を確認
  ・水平展開に向けた他島のニーズ調査及び実装時における課題を確認
• 課題
  ・害獣調査について、樹木に覆われている箇所において害獣を発見するのは困難であった