離島特性を活かした真鍋島スマート鳥獣対策プロジェクト
岡山県:笠岡市:真鍋島
概要
島の課題
- 10年前は1頭もいなかったイノシシが、本土から海を渡って繁殖し、農作物等の被害が急増するなど島民の生活を脅かしている。
- 他の島々でも同様な状況で、農作物被害だけでなく、人的被害や対策費用や人手不足等もあり、人口減少・高齢化と併せて深刻な課題となっている。
⇒高齢化に伴う島内駆除の担い手不足に対し、新たな技術の導入による対策支援が必要。また、離島特性を活用した集中的かつ効果的な対策の確立が必要。
位置図
調査体制
取組概要
- これまでの対策にICTなど新たな技術を導入して強化する。
- 海に囲まれた小さな生活圏である離島の特性を活用し、鳥獣(イノシシ)を出来るだけ一定のエリアに追い込み、短期間で集中的かつ効果的な対策を実施する。
- 離島における鳥獣対策の先導的なモデルとして、各種対策の研修、人材育成の島として離島振興に貢献する。
目指す姿・期待する効果
イノシシのいない島、安心して暮らせる生活環境の実現
- AI画像解析や鳥獣ワナ監視通報システム(ほかパト)、低周波等によりイノシシを威嚇・誘導する「いのドン」等を組合せた鳥獣害対策クラウドを活用した日常対策の強化と、ハンティングドローンを活用した集中的鳥獣害対策による効果的な手中対策を構築し、安心して暮らせる生活環境を実現する。
離島での効果的な鳥獣害対策の構築による笠岡諸島全体への展開
- 離島における鳥獣対策の先導的なモデルとして、ICT技術を活用した日常対策と集中的対策を構築し、他の島々での対策の展開を図る。
主な実証内容
実証内容・検証項目
- 海に囲まれた小さな生活圏である離島の特徴や、AI画像解析やハンティングドローン等の技術を活用し、効果的な鳥獣害対策モデルの構築の検証を行う。
・実証1:日常の鳥獣害対策強化(鳥獣ワナ監視通報システム(ほかパト)や「いのドン」の導入)
・実証2:集中的鳥獣害対策(ハンティングドローンによる「巻き狩り」の実証)
・実証3:鳥獣生息状況の調査(AI画像解析システム(鳥獣カウンター)の導入)
主な実証結果
- 調査結果に対する評価・考察について次に整理する
成果と課題
- 成果
・日常対策では、「ほかパト」により見回り労力の軽減、いのドンによる農作物被害の軽減、カメラ情報のAI画像解析によるイノシシ確認情報の見える化、イノシシ捕獲数の増加(昨年20頭/年→今年35頭/年)を達成
・集中対策では、イノシシの捕獲には至らなかったものの、ハンティングドローンの威嚇により6頭の移動を確認、巻き狩りの難しさと課題・日常対策の重要性を再認識 - 課題
・日常対策では、イノシシ対策の必要性への共通理解と協力体制、罠の設置普及に向けた支援策の強化、島内を周遊できる散策路の確保と維持管理の継続、くくり罠による対策での安全性の確保が必要
・集中対策では、ハンターの参加しやすい狩猟期間外での実施、ドローンを活用した巻き狩り経験の蓄積により、離島の特性(起伏の激しさ、視界の悪さ)に応じた対策が必要