DEMO実証調査事例

~粟島スマートアイランド推進プロジェクトNEXT

香川県:三豊市:粟島

概要

島の課題

  • 高齢化・人口減少が進み、常駐する医師や看護師がおらず、医療体制が不十分な状態な中で、今後さらに高齢化が進むことが予想される。
  • 現在の定期船は就航数や配送量は限られているため、医薬品等のスムーズな物資の輸送が困難である。
    島民の生活基盤である離島で医療サービスを受け、それを支える物流体制の確立が必要。

位置図

調査体制

<その他協力団体>
LUFTLAB 炎重工㈱ クオールホールディングス㈱ トッパン・フォームズ㈱
ニプロ㈱ きづな調剤薬局

目指す姿・期待する効果

  • 離島における遠隔医療体制の強化に向けた 健康管理システムの構築
    クラウド型電子健康手帳を活用することにで 、病院・診療所に移動することが困難な高齢者の負担を軽減を図り、オンラインで患者をサポートすることでオンライン診療やオンライン服薬指導の基盤の拡張を目指す。
  • 本土と遜色ない物流体制の確立による島民生活の利便性の向上
    就航数や配送量が限られている離島の物流において、遠隔操縦船舶を活用することで必要な時に必要な物を配送する物流体制を作り、生活の利便性の向上を目指す。

主な実証内容

実証内容

本実証は、オンライン診療・オンライン服薬指導を経て医薬品や日用品を遠隔操縦船舶での輸送
を社会実装するための検証を行った。

  1. ①島民の健康管理をするシステムにニプロハートラインを使用し、そのエビデンスに基づいてオンライン診療を行い、オンライン服薬指導を検証する。
  2. ②オンライン服薬指導にて調剤された医薬品を医薬輸送ガイドラインに基づいて輸送を行う検証をする。
  3. ③医薬品や日用品を遠隔操縦船舶を用いて輸送を行う検証をする。

主な実証結果

  • ニプロハートラインに送られた、体温計、血圧、酸素飽和度、血糖値、心電図を基に患者とオンライン診療・オンライン服薬指導を行い、患者に必要な医薬品を調剤した。
  • 医薬品輸送ガイドラインに基づいて、医薬品の移動記録、温度管理、薬の取り違え対策を行った上で、医薬品を患者に受け渡した。
  • 遠隔操縦船舶を用いて荷物を粟島まで輸送した。
オンライン診療
オンライン服薬指導
GPSによる移動記録が可能な
医薬品輸送ボックス
遠隔操縦船舶
管制車両からの操縦の様子

成果と課題

成果

  • ニプロハートラインを用いてオンライン診療・オンライン服薬指導を行い、その有効性が確認された。
  • 医薬品輸送ガイドラインに基づいて問題なく医薬品を運び、遠隔操縦船舶での輸送も可能であることが確認された。

課題

  • オンライン診療・オンライン服薬指導に対する島民への島民への理解
  • 遠隔操縦船舶を運営するための収益化の検討