DEMO実証調査事例

豊島スマートアイランド推進プロジェクト (IoTとモビリティとを連携させた「焼き芋屋さんモデル)

香川県:土庄町:豊島

概要

島の課題

  • 島内の公共交通手段が限られている(主要居住地区間のコミュニティバス、タクシーは1台のみ、自家用車のない世帯も存在)
  • 人口減、高齢化の進展(一人暮らしの高齢者も増加)
  • 商店や飲食店の数も少ない(買い物に車が必要)
  • 医療体制が貧弱(島に診療所が一つのみ)

位置図

調査体制

取組概要

  • コミュニティバスでカバーしていない居住地域内を電動車両が巡回し、IoT技術を活用して車両が近くに来たことを各世帯に設置したICT端末(スマートスピーカー)に音声で通知する。
  • 車両にはお茶菓子等の販売物を乗せ、買いたい人がいたらその場で販売し(島民の生活をサポート)、車両に乗りたい人がいれば目的地まで運送する。(島民の移動をサポート)
  • 同時に、電動車両で使用する蓄電システムの災害時活用について検討を行う。
全体イメージ 「焼き芋屋さんモデル」
~車が近くに来たら“お知らせ”

目指す姿・期待する効果

IoT技術とモビリティを連携させることで、できるだけ負担のかからない形で島民の移動や生活をサポートがなされる一つのモデルケースとする。
本実証調査を通じて①島内コミュニティの活性化②島民の生活の利便性向上③島民(特に高齢者)がICTに触れそのベネフィットを享受する基盤になる、といった効果が期待できる。また、島民と寄り添いながら島の課題解決のため先進的な取り組みを行っている「人に優しい」スマートアイランドとして、新たな島の価値向上を図る。

主な実証内容

実証内容

今回の実証では、以下につき検証を行う。

  • 調査対象世帯に設置したスマートスピーカーから車両の接近情報を音声で通知する仕組みが問題なく機能するかを検証する。
  • 実証運用を通じて利用者の移動ニーズ(利用者数、利用頻度など)および購買ニーズ(利用者数、利用頻度、購入物、購入単価など)に関する検証を行う。
  • 電動車両向け可搬型蓄電池の災害時活用に関して、想定される利用シーンや必要な電池容量等の検証を行う。

主な実証結果

  • 6/15から8/31まで第1回実証運用、10/3から12/20まで第2回実証運用を実施。
  • 調査対象世帯は、期間中29世帯が登録、内26世帯(90%)がサービスを利用した。
  • 第1回と第2回を合わせ、利用者数は乗車が延べ306人(2.8人/日)、購入者数は延べ121人(1.1人/日)、売上は105,470円(950円/日)だった。
  • 終了時アンケート結果:「生活の役に立った」 96% 「継続を希望」 89%(回答27名)

成果と課題

成果
期間中多くの方にご利用いただくとともに高い評価を得ることができ、「焼き芋屋さんモデル」の有効性を実証できた。また、副次的に電動車両用蓄電池の災害時活用の可能性や必要となる電池容量についても現地事情に基づき確認できた。

課題
運用を継続するために必要な費用(車両、運転手、端末機器など)をすべてサービス利用者の負担とすることは現実的ではなく、持続可能な運用資金調達の仕組みが必要。