隠岐の島デジタル世代によるコミュニティデザイン
島根県:隠岐の島町:隠岐の島
概要
島の課題
- 港周辺の空洞化が発生:西郷港周辺が島のエントランスとして賑わいを失う
- コミュニケーシ ョンの場不足:小中高生は、学校と家以外で友だちと話す場所がない
- 若年層の島外流出:島外から高校の寮に入って学ぶ学生がいる一方で高校から島外の学校へ行きそのまま進学・就職してしまう
位置図
調査体制
取組概要
- リアルとリモート(島外応援者たちが参加)のハイブリッド授業を行い、子どもたちとその保護者にWebアンケート調査によって、その有効性等を評価・検証する。
- 子どもが家と学校以外で集まることができるサードプレイスを、子どもから大人まで集まる「まちの拠点」と「仮想空間」に整備し、拠点でのイベント時にWebアンケートを実施し、その有効性等を評価・検証する。
- 島の支援者の関わり方の内容や、関わる人の可能性について、港でWebアンケート調査を行い、その有効性を評価・検証する。
目指す姿・期待する効果
学びの循環により島への愛着を育み、将来に向かって一歩踏み出せる社会をつくります。
主な実証内容
実証内容
ハイブリッド授業(小学校・中学校・高校・地権者の方の話し合い)
- 遠隔授業(リモートによる島外の応援者たちの参加)
- リアル授業(ファシリテーターの仕切りは現地でリアルに)
- サポート体制(学校関係者や役場のいろいろな課の人たちの協力と参画)
Webアンケートで、意識変容を実証
拠点でメタバース体験(子どもから大人まで仮想空間体験)
- 高校生と仮想空間で子どもから大人まで体験できる内容を企画
- 町の協力で拠点空間を確保
- 大型ディスプレイ、PC、タブレットを設置し、
集まった人たちが教え合い、学びながら仮想空間の更新を行う場を設置
Webアンケートで、意識変容を実証
帰省客や島外の支援者に対し可能性を調査
- フェリーターミナルで乗船者にWebアンケートによる調査を行う
- 対象は、島出身で島外居住者、ビジネス客、観光客、島民
- 来島の目的や隠岐の島町とのかかわり方、隠岐の島町を応援するとしたら何ができるかなど
Webアンケートで、可能性を実証
主な実証結果
- 意識づくりでは、島外の人の話しを聞いてまちに興味を持つようになったり、親子で西郷港周辺の未来について話す機会が増えたり、子どもの将来について考えるようになる等意識変容が生まれた。
- 場づくりでは、パソコンやタブレットを使って子どもから大人まで一緒に話ができるのがよかったという学び合いへの評価があった。
- 関わり代づくりでは、島出身で今は島外居住の人などが熱い思いを持っていることを確認。また、社会人としての仕事の内容の紹介や人生経験について話すことができると回答した人が多い。
成果と課題
- 成果:ハイブリッド授業では多様な大人の話を聞くことでまちづくりに興味を持つことはできた。仮想空間では子どもから大人まで同じ空間で教え合うことへの満足度は高く、今後は仮想空間の中に広げる可能性を感じた。関わり代調査ではハイブリッド授業のコンテンツに関わることができる可能性を感じた。
- 課題:今回の実証では、ハイブリッド授業や仮想空間での体験がダイレクトに島への愛着および将来の定住に繋がったとはいえないが、今後も続けていく場合には関わり代を持つ人の多様性いよって「コンテンツの魅力化」を図っていく必要がある。