島内電子通貨を活用した地域循環共生圏プロジェクト
新潟県:佐渡市:佐渡島
概要
島の課題
- 電子決済への非対応等によるマーケティングデータの活用不足による経済的損失。
- 所得の流出
⇒地域経済循環率は65.9%と約3割が島外に流出 - タクシードライバーの高齢化等による地域交通維持への懸念。
⇒ デジタル化やデータ活用による各種サービスの維持・向上が必要
位置図
調査体制
取組概要
- モニターによる電子地域通貨アプリの試行的利用
- 購買・行動データを分析し、地域循環経済の推進に対する有効性の検証
- タクシーのクラウド型配車・予約システムの実証運行を行い、需供バランスや業務効率化を検証
目指す姿・期待する効果
電子地域通貨を活用した購買行動のデータ化等により、地域経済の活性化と行政サービスの向上
市内の店舗で利用可能な電子地域通貨を連結し、島民及び観光客の購買行動データの収集・分析を行い、島内消費の拡大や、ニーズ把握による新商品の開発等につなげ、地域循環経済を促進するとともに、行政サービスの利便性を向上させ、定住促進につなげる。
タクシー交通の効率化とコスト削減による交通サービスの維持
住民及び観光客によるタクシー利用の効率化とコスト削減を目的に、複数のタクシー事業者が連携してクラウド型配車システムを活用し、利便性の向上や業務効率化の促進を行う。
主な実証内容
実証内容・検証項目
- 市民サービスカードのデジタル化及び電子通貨による決済関連サービスの検証を実施。
- クラウド型タクシー配車システムを導入し、複数社が共同配車の実証運行を行い、業務効率化の効果検証を実施。
- アプリを通して得られた購買行動データベース(CRM)構築の検証を実施。
主な実証結果
- 地域通貨を流通させることで、属性情報に基づくデータの分野横断的な分析が可能。
- 配車システムを運用することで、横断的な配車指示が円滑に行われ、需要の高い時期や時間帯で効率的な配車管理が可能。
成果と課題
- 地域通貨の流通によって、島外民と島民の消費行動データに基づく分析可能な環境が実現。
- 複数社が共通の配車システムを導入することで、配車管理の連携体制が実現。
- 地域通貨の普及にはチャージに対する割増ポイントなど、サービスの充実が今後の課題。
- 地域通貨の利用と流通を増やし、属性情報を蓄積してデータベースの情報精度を高めることが必要。